2023年6月9日(金)

雨のち曇り。


広尾と言うところに行った。


街の持ってる空気があるな。

どこ行ってもそれぞれある。

他人ん家行った時の匂いみたいな。


広尾はテレビにスーパーファミコン付いたヤツ持ってる子の家の匂いがして、

緊張した。

おやつが出てくるんだよ。

本当に。

テレビに出てくるお母さんみたいな感じで、

本当のお母さんがおやつ持って来る。

びっくりしたんだ。


あと少し遅くなった時ご馳走になったミートソースのスパゲッティーには、

食べちゃダメな葉っぱが入ってる。

その葉っぱを避けて食うの。

それがなんだか、

とてもすごい気がする。

今ならローリエだとわかるが、

あの時は意味わからねぇけど、

俺が知らないだけの、

なんか高けぇ葉っぱだということは、

本能で解る。

なんでかわからんが。


そして、それが羨ましいような、

そんなこともねぇような。

そんなこともねぇとどうしても思いたいだけのような。


今、歩いてるこの人たちの家に行ったら、

大人になった俺も見たことねぇもんがあるんだろうな。


そして、大人になった俺も、

それが羨ましいような、

そんなこともねぇような。

そんなこともねぇとどうしても思いたいだけのような。

そんな気持ちになるのだろうか。


とにかく広尾はあの時の匂いがした。


そんなことより雨でびしょびしょだ。

びしょびしょなのは俺だけだから、

みんな一瞬こっち見る。


ちげーよ。傘は嫌いだから持ってねぇだけだ。本当だぜ?


あー久しぶりに見たなー。

その目。

その目その目。いいねぇ。


あーそうか。今日はロックの日か。

俺はそんなの毎日だったよ。


また明日なー。

「ある人間の日記」松野浩介

ロックンロールバンド THE だいじょぶズの唯一無二。 天下無敵のフロントマン、 松野浩介が綴る。 ある世界の、ある人間の、 ある男の、普通の日記。

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